~あなたはロコモ?ロコチェックをしてみよう!

ロコモティブシンドローム(ロコモ)はある日突然起こるわけではなく、自分でも気づかないうちに忍び寄ってきます。すると、骨、関節、筋肉などの運動器の働きが衰えて、介護が必要になる可能性が高くなります。少しでも早くロコモに気づいて適切な対策がとれるように、まずは自分の体をチェックしてみましょう。

7つのロコチェックにいくつ当てはまる?

運動器の衰えは、自分でも気づかないうちに進行します。そして、転倒で骨折するなどして、自立した生活が難しくなることが少なくありません。自分では大丈夫と思っても、実際にはロコモになっている人は大勢いるとされています。

ロコモ予防のためには、まず自分の運動器の状態を知って、リスクがどれぐらいあるかに気づくことが大切。そこで日本整形外科学会では、ふだんの生活の場面からロコモの可能性を自分でチェックできる「ロコチェック」を定めています。7つの項目に1つでも当てはまるとロコモの心配があり、2つ、3つと数が多くなるほど、将来介護が必要になる可能性は高くなります。このロコチェックを使って、生活の中にロコモが忍び寄っていないかどうか、チェックしてみましょう。

※腰や膝の痛みや、筋力の衰えやふらつきが強くなってきていると感じるときは、無理をして試してはいけません。医療機関を受診して医師の判断を仰ぐようにしてください。

やせすぎ、太りすぎの人は要注意!

ロコモは加齢や様々な原因によって誰にでも起こる可能性がありますが、中でもやせすぎ、太りすぎの人はロコモになりやすいといえます。ロコモの原因となる病気のひとつとして骨粗しょう症がありますが、女性では閉経後に女性ホルモンの分泌が急激に低下すると生じやすく、特にやせていて体重が少ない人では、骨にかかる負荷が少ないため、骨が弱くなりがちです。骨粗しょう症になって骨がもろくなると、骨折のリスクも高まります。

一方、太っている人はやせている人に比べると、骨粗しょう症は起こりにくいとされます。しかし、肥満は膝や腰に負担が多くかかり、軟骨がすり減って変形性関節症になります。1度すり減った軟骨は、元に戻りません。変形性関節症は、男性に比べて軟骨や靭帯が弱い女性に多くみられます。もちろん男性でも肥満があると発症しやすくなります。

また、体重が適正であっても、日頃から運動や活動的な生活を心がけ、筋力やバランス力の低下を防ぐことは大切です。筋力は30歳を過ぎた頃から徐々に低下し、50代になるとその低下スピードは速くなります。しかし、運動で関節や筋肉に適度な負荷をかけることにより、筋力の低下スピードを緩めることができます。

今からでも遅くない! 始めようロコモ予防

骨や筋肉は、年齢に関係なく適切な運動により強くすることができます。また、骨粗しょう症や変形性関節症などの病気がある人でも、積極的に運動を行うことで、運動器の能力は向上させることができます。いつまでも自分の足で歩いて、活動的な生活を送ることは誰しもが願うことです。ロコチェックに当てはまる項目があった人は、今まで気づかなかった運動器の衰えを知るきっかけととらえ、前向きにロコモ予防に取り組んでみてはいかがでしょうか。

ロコモ予防で大切なことは、まず「歩く」「立ち上がる」といった基本の動作を、しっかりできるようにすることです。そのために必要な筋力やバランス力を鍛えることが大切になりますが、運動器は、筋肉、骨、関節などが、それぞれ連携して働いており、体を動かす機能全体を考えて運動をする必要があります。そこで勧められるのが「ロコモーショントレーニング(ロコトレ)」(日本整形外科学会 2011年度版ロコモパンフレットより)です。

ロコモのレベルは人によって異なるので、その人の状態に合った無理のない程度の運動を行っていくことが大切となります。トレーニングといってもそれほど時間もかからず簡単な運動ばかりですので、習慣として行ってみるとよいでしょう。

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