療養中の過ごし方 − 骨折を治すために
ギプスをつけているとき・手術したとき
骨折療養中は、患部だけでなく全身状態や日常生活にも気を配り、骨の癒合を促すとともに、全身的な健康をよい状態に保つようにしましょう。
そのために自分でできるケアと、日常生活を快適におくるためのポイントを紹介します。
患部を高くあげる(挙上)
骨折部の周辺は、炎症による腫れと、固定して動かせないためにむくみが生じます。
むくみ対策の基本は、患部を心臓よりも高くあげる(挙上する)ことです。
上肢(腕や手)・下肢(脚や足)の骨折では、固定した部分から先をできるだけあげ、腫れがひくのを促して末梢(手や足)がむくむのを防ぎましょう。
とくに夜眠るときは、枕やクッションをあて、心臓よりも高い位置にあげます。
下肢の骨折では、日中もときどき横になり、脚をあげるとむくみが改善します。



スキンケア
ギプス固定中は、ギプスの中の皮膚がかゆくなることがありますが、とがったもので掻くなど皮膚を傷つけるおそれのある行為は避けましょう。
ギプスの縁で皮膚がこすれ赤くなって痛む、中でギプスがあたるなどの場合は、医師や看護師に相談してください。低刺激のローションやクリームで改善することもあります。
表に出ている部分は、できるだけ清潔を保つことが大切です。お湯で絞ったタオル(ホットタオル)で拭いたり、ローションなどを塗りながらマッサージしたりすると血行もよくなります。


炎症が治まったら冷やさない

腫れや赤みなど炎症の症状がある期間を「急性期」といいます。
急性期は、冷やして炎症の広がりを抑えることが大事ですが、炎症が治まったら、リハビリ、入浴、部分浴などで血行をよく保ちましょう。
炎症のある急性期をすぎたら、冷やさないようにしましょう。
食生活
骨の形成を促すタンパク質、カルシウム、
ビタミンDやKを多く含む食品を十分とることは大切ですが、
全体としてかたよりのないバランスのよい食事を心がけましょう。
骨折のために運動量が減っている場合、できるだけ毎日体重を計り、
カロリーオーバーにならないように気をつけることも必要です。
禁煙
タバコは骨の癒合を阻害する大きな要因の1つですので、骨折治療中は禁煙しましょう。
運動
骨折療養中でも、日中はできるだけ活動して体を動かしましょう。
よく動くことで全身の血行がよくなり、骨の癒合も促されます。
寝てばかりいたり、座りっぱなしでいたりすると、筋力低下にもつながるのでよくありません。
入浴
医師の許可があれば入浴も積極的に行いましょう。全身の循環をよくすることは、骨の癒合にとてもよい影響を与えます。

ギプス固定している場合の入浴法
ギプスを乾いたタオルでくるんでから、大きめのビニール袋(脚なら厚手 のゴミ袋など)で包み、輪ゴムとテープでしっかり密封します。
輪ゴムはきつくなりすぎないように気をつけましょう。
乾いたタオルでくるむのは、汗でギプスをぬらさないためです。
もし入浴中にギプスがすれてしまったりら、水分をタオルで拭きとり、
ドライヤーで乾かします。
内部に水が入り、なかなか乾かないときは病院に相談しましょう。
睡眠
睡眠不足や不規則な生活は回復を妨げます。療養中は十分な睡眠を規則的にとりましょう。
長い昼寝をすると昼夜逆転しやすくなります。昼寝は短時間とし、日中は可能な範囲体を動かすなどして、夜にきちんと眠れるようにしましょう。
転倒予防

体の一部が固定されていると、予想以上にとっさの動きができないものです。
痛みのある時期ならなおさらでしょう。
とくに下肢の骨折では十分な配慮が必要です。
外出時はもちろん、家の中でも転倒予防の対策をとりましょう。
転倒予防の例
- ・ マットやじゅうたんの縁は専用のピンなどで固定する
- ・ 電気コードは固定する
- ・ 階段に滑り止めを取りつける
- ・ 玄関など段差の大きいところには踏み台を置く
- ・ お風呂場は、洗い場にすのこを置くなどしてすべらないようにし、浴槽と同じくらいの高さの台(安定性のよいもの)を置いて、浴槽の出入りに利用する
- ・ 部屋や廊下の床にはものを置かない。とくに新聞紙、雑誌、ビニールの袋などはすべりやすいので気をつける
- ・ 服装は、長いスカートなどつまずきやすいものを避ける
- ・ 可能であれば、手すりやフットライトを取りつける
こんなときは病院に連絡を
ギプス固定中はギプスの中を直接見ることができないので、痛みなどの感覚、ギプス周辺や末梢の皮膚の様子を観察して、ギプス内でトラブルが起こっていないかどうかチェックします。
次のような場合は病院に連絡しましょう。
- ・ 痛みがだんだん強くなる
- ・ 腫れなどのためにギプスがきつい
- ・ ギプスがあたる場所がありつらい(縁、内部)
- ・ 手足の場合、末梢が冷たくなったり、紫色になったり、感覚が鈍くなったり、したとき
- ・ 指など、動かせていたところが動かせない
場合によっては、ギプスを一度をはずして中の状態を確認し、新たに固定し直す必要があります。
ギプスがあたっている皮膚に傷ができたり、神経が圧迫されていたりすることもあるので上記のようなしょうじょうがあるときは遠慮なく病院に相談しましょう。
